大木 敏徳 PRIVATE WEDDING STONE FOREST 料理長

茨城
山の幸を採って遊んだ子供時代

――ふるさとの思い出について、聞かせてください。
「10歳のときに、茨城県の牛久市に引っ越してきました。今でこそ牛久は宅地化が進んで東京のベッドタウンになっていますが、私が移り住んだ24年前は山と林がたくさんある自然豊かなところで、よく山でアケビや柿、ミカンを採ったり、秘密基地を作って友達と遊んでいました。牛久沼でのブラックバス釣りも楽しかったですね。」

――子供の頃よく食べていた郷土料理・名物料理は?
「茨城といえば、やはり納豆です。我が家では、めんつゆに浸けたみじんぎりのショウガとネギ、ゴマ、とろろ昆布、ちりめんじゃこなどを入れてご飯にかけて食べるのが定番でした。茨城で日本一の生産量を誇るレンコンも、はさみ揚げや筑前煮、きんぴらにして母がよく食卓に出してくれました。
干し芋は、親戚が作っていたのでよく食べていたのですが、実はちょっと苦手だったんです。でも成長するにつれて、かみしめるほどに甘味が増すあのおいしさがわかるようになって、今では大好物になりました。」

地元の銘柄豚・地鶏に注目

――ふるさとのおすすめ食材を教えてください。
「母方の実家が日立市(茨城県北東部)にあって、祖母が近くの海で働いていました。子供の頃、祖母と海に行って、獲れたての甘いウニをその場で食べさせてもらったことは今でも忘れられません。分厚いわかめをさっと熱湯でゆがいて、ショウガとかつおぶし、醤油をかけたものも、とてもおいしかったです。祖母はすでに亡くなりましたが、海での思い出とあの味は鮮明に覚えています。」

――ふるさとの食に関する思い出を、教えてください。
「つい最近見つけた私のお気に入りの食材なのですが、茨城県の地鶏『つくばしゃも』は絶品です。十分な飼育日数をかけて育てるので肉質がしまっていてコクがあります。炭火で焼鳥にするのがおすすめです。
それと茨城には、イモ類を食べて育った銘柄豚『いもぶた』もあります。くさみがなく甘味があり、しゃぶしゃぶにすると特においしいです。『つくばしゃも』も『いもぶた』も、まだ新しい品種なので比較的リーズナブルに食べられるところもうれしいですね。」

大木 敏徳 大木 敏徳
茨城県産食材の名物メニューを考案し地域活性化へ

――ふるさとでの食体験が与えた影響は?
「昨年まで東京で働いていたのですが、子供の頃から食べていたおいしい茨城の食材をもっと全国にアピールしたいという想いから、地元に戻ってきました。
それ以来、県内各地の生産者さんを訪ね、どんな食材があるのか、どういう想いで食材を作っているのかなど、お話をいろいろとうかがっています。直に生産者の方々とのつながりができたことで食材がより身近になり、シェフの仕事がいっそう楽しくなりました。また、今まで以上に真剣に食材と向き合い、無駄なくおいしい料理として昇華させようと、シェフとしての意気込みを新たにしました。」

――最後に、ふるさとへの応援メッセージをお願いします。
「生産者の方々の想いが詰まった茨城県産の食材は、絶対においしいという自信があります。今後は、レンコンやハマグリ、納豆、ヒラメなど、茨城県産の食材を使って名物となるような新メニューを作り、地域活性化に貢献できればと考えています。私ひとりの力ではまだまだ弱いので、県内のシェフや生産者の皆さんと連携しながら、ぜひ実現させていきたいですね。」