鴨角 直樹 Pastaio・Cocco シェフ

埼玉
子供の頃からご飯のお供は「たまり漬け」

――ふるさとの思い出について、聞かせてください。
「物心つく幼稚園の頃に福岡県から埼玉県に引っ越してきました。まだファミコンもない時代だったので、外で虫取りや缶けりをして遊んだり、プラスチックのバットとゴムボールを持って公園に行き、野球やドッジボールをして日が暮れるまで走り回っていました。当時は近所に駄菓子屋さんがたくさんあったので、20円のアイスをよく買って食べていたことも懐かしいですね。」

――子供の頃よく食べていた郷土料理・名物料理は?
「両親が福岡出身なので、我が家の味つけは基本的に薄味で、さつま揚げや明太子がよく食卓に上がっていましたね。料理ではありませんが、親戚が送ってくれた『福岡名物にわかせんべい』をわざと湿気させて、やわらかくなった状態のものを食べるのが好きでした(笑)。
所沢名物の『たまり漬け』もご飯のお供の定番でした。今でも、近所の神社に商売繁盛のお参りに行くと参拝記念品として頂くので、我が家にはおなじみの味です。」

地元の農家を応援したい

――ふるさとの食に関する思い出を、教えてください。
「土曜の昼の学校帰りに、たまに父がファミリーレストランに連れて行ってくれて、好きなものを食べさせてもらえるのがうれしかったですね。所沢市はいわゆる住宅都市なので、ファミレスなど家族向けのチェーン店が多いのが特徴です。」

――ふるさとでの食体験が与えた影響は?
「所沢には昔ながらの野菜農家が多く、我が家もいつも所沢産の野菜を食べていました。7年前に店をオープンする時に、所沢の農家さんを取引先に選んだのも『地産地消』に貢献したいという思いからです。最近ではご両親の後を継いだ20代の若い生産者の方もよく見かけるので、積極的に応援していきたいですね。」

鴨角 直樹 鴨角 直樹
こんなに味の濃い野菜があったのか!

――ふるさとのおすすめ食材を教えてください。
「所沢市の農園『陽子ファーム』さんの無農薬野菜です。母親のつながりで代表者の池田容子さんと知り合ったのですが、初めて農園の野菜を食べたときに『こんなに味の濃い野菜があったのか!』と驚きました。ニンジン嫌いの子でもパクパク食べられるほど、おいしいんです。約30年間ずっと無農薬栽培で、土壌や水に徹底的にこだわり、年間を通じて100種以上の様々な野菜を育てておられます。」

――最後に、ふるさとへの応援メッセージをお願いします。
「今後も『陽子ファーム』さんをはじめ、良心的な所沢の農家の方々とのつながりを強化して、一シェフとして地産地消を推進していきたいですね。
また、所沢市は若いご夫婦の世帯が多いためか、個人店よりもチェーン店のほうが価格帯や手軽さで好まれる傾向にあるようです。当店のオープン時からのモットーなのですが、個人店ならではのサービスやこだわりを打ち出し、チェーン店を含めた多様な店のあり方を探りながら、所沢の食文化の発展に貢献していければと思っています。」